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2019年(令和元年)夏季番組より、条件戦ではそれまでの収得賞金ベースにしたクラス分け(例えば「1600万円以下」)になっていたのを、「1勝クラス」「2勝クラス」「3勝クラス」と勝利数によるクラス分けに呼び方を変更しました。ただ、引き続き収得金額で出走出来るクラスが変わるというのはそれまで通りですので、どこぞのCS番組に出ていた予想屋が「何も変わらないじゃん」などと言うのも無理はありません。また、それに合わせて降級制度もなくなり、それまで降級目当てだった馬達には痛手だったかもしれません。
実際問題、何も変わらないのですし、表向きは「ファンに分かりづらい」とかいう説明をJRAもしていましたが、そんなのは本筋ではない訳です。変えたからには何かをしたい意図があってという事ですが、それが何なのかが正直自分もわかっていませんでした。その意図がようやく表面化したのが先週のジャパンカップに行われた4競走です。条件戦に登場した(国際)という競走記号。秋季番組の概要欄に記載された内容は以下の通り。
【調教パートナーとして帯同する馬の出走機会を確保し、外国調教馬がジャパンカップに出走しやすい環境を整えるため、以下の競走を新たに(国際)として実施します。】
5回東京7日目
08R 2勝クラス 平場 ダ1400 (国際) 定量
10R 3勝クラス シャングリラS ダ1400 (国際)(特指) 定量
5回東京8日目
09R 2勝クラス オリエンタル賞 芝2000 (国際) 定量
11R 3勝クラス ウェルカムS 芝2000 (国際)(特指) 定量
今年これらの競走に出走する外国馬がいた訳ではありませんが、もしいた時に何をもってどの競走に出走可能なのか?という基準が2019年の春季番組までではわかりづらい。賞金額でクラス分けをした場合、他国の賞金はJRAに比べて低いので、3勝してても日本円に換算したら1000万円以下みたいな事もあり得ます。それでは不都合極まりないという事です。
クラス分けの呼称変更、そして降級制度の廃止というのは、今回(国際)の条件戦を番組に組み入れる前段階として行われていたという訳です。随分前から準備をしていたなと思いますが、実際の番組に登場させたのが何故今年だったのかというのは、やはり東京オリンピック。馬術競技でも多数の馬が参加しましたが、このオリンピック開催を一つの契機としたかったのだと思います。本来なら昨年だったんだろうなとも思います。
来年からはジャパンカップの賞金も4億円となり、ジャパンカップに有力馬を呼び込もうという意図がはっきしていますので、(国際)となる条件戦の拡大が行われる可能性はあるかもしれません。仕込みの期間が長くて、その意図がどこにあるのかがわかりにくいという印象がありますが、無駄に何かをしている訳ではないというのが改めてわかる(国際)の条件戦の話でした。